HP「東江戸川工廠」のブログです。

2009年04月18日

空母決戦・その8:総括

隠しシナリオは、4Gamer.netのレビューのスクリーンショットに既に出ているように、珊瑚海キャンペーンとミッドウェイキャンペーンの2つです。
ノーマルのシナリオとの違いは、プレイヤーが操作できる艦隊が機動部隊だけだったのが、友軍艦隊が登場する点です。
珊瑚海海戦シナリオでは、MO機動部隊の他、MO攻略部隊、MO主隊が登場。
ミッドウェイ海戦シナリオでは、機動部隊の他、主隊(山本艦隊)、攻略部隊本隊(近藤艦隊)、攻略部隊支援隊(栗田艦隊)、攻略部隊船団部隊(田中艦隊)が登場。
勝利条件は敵空母の撃破ではなく、攻略部隊(MO攻略部隊、船団部隊)をいついつまでにモレスビー、ミッドウェイに接近させること、です。
なお、シナリオの制限日数も増えています。

正直、このキャンペーンシナリオには、かなりの不満を感じています。
その最大のものは、攻略部隊の構成。
最初に攻略部隊が何ノット出せるのか確認しようとしたんです。
どのくらいの速力で進撃できるのかによって、機動部隊や他の戦闘艦隊の行動が掣肘される度合いが異なってきますから。
もし全速力で最短距離を突っ走らないと、シナリオに指定された制限時間に間に合わないのであれば、機動部隊による敵艦隊、敵基地航空兵力の掃討は、無理にでも早期に行わなければならないことになります。
っていうか、往年のボードゲームはそういう掣肘が多いです(笑)
下手すると、輸送船団の行動にプレイヤーが干渉できないというケースもあったような。。。
という理由から、おっかなびっくり部隊の情報を見てみると。。。
MO攻略部隊は26ノット、ミッドウェイの攻略艦隊は28ノット。。。

は?

攻略部隊は、MO主隊や近藤艦隊より速度が速いんですけど、どういうこと?
攻略部隊って普通は高速であっても10数ノット、普通は10ノットしか出せない足の遅い輸送船がいるはずでしょう?
輸送船いないじゃん。。。
MO攻略部隊は六水戦のみ、MI攻略部隊は二水戦のみ。
水雷戦隊だけしかいないんなら、そりゃ足速ぇよ。
これには激しく幻滅。

私がGSさんの特に激ソロが大好きなのは、身を削ってでも三式弾と物資を積んでガ島に向かうってルールがあったからこそです。別に魚雷で派手にできるなんてのは二の次なんです。
ガ島にいる陸軍さんを何とか助けるんだという、ルールブックにもどこにも書いてないんだけど、水雷戦隊旗艦の中での水戦司令官と陸軍参謀とのやり取りが脳内劇場で勝手に上演されるわけですよ(笑)
ボードゲームの箱の後ろに、脚本仕立ての寸劇が書いてありましたよね。アレです、アレ。アレで育った世代ですから、現場の情景がまざまざと浮かばんといかんのです。
珊瑚海やミッドウェイだったら、南海支隊や一木支隊を指定日に着かせろってのが至上命令であって、だからこそ祥鳳が機動部隊とは別行動になってるんだし、南雲艦隊が先行しているわけでしょう。
それがあんな高速艦隊で、作戦の帰趨を認めてから走り始めても余裕で揚陸ってのはさぁ。。。
MOだったら、MO主隊を輸送船団の南方に割り込ませて米機動部隊や水上部隊のチャージやMOの重爆攻撃に備え、MO機動部隊も米機動部隊の位置が判明するまではMO攻略部隊からそれほど離れない海域で行動させないと、いざというときに何もできないっていう緊張感がいいんじゃない?
それが米重巡にぶつけちゃうよってくらい高速で有力な艦隊ってのは。。。逃げる必要性がまるで感じられないんですよねぇ。
ほんとやる気が削がれるんですよ、コレ。
まぁシステム上、輸送船ユニットがないってのは仕方がないとしましょう。
せめて速度を何とかして下さい。お願いします。
あと、できればMO主隊の青葉型にも偵察機を積んで下さい。。。
史実では六戦隊の偵察機が。。。まぁこれは輸送船ほど切実なお願いではありませんけどね。
マップにデボイネがあるのにはちょっと感動したんで、その代わりと言うなら我慢します。
でも本当だったら、MO主隊に偵察力がないとMO機動部隊とは別にMOに向かう際に激しく困るんですけどね。
前方の索敵ができない中で敵の有力な陸上基地に攻略船団を向けるなんて、自殺行為ですよ。。。

というわけで、以上で「空母決戦」のV1.10のレビューを終わります。
総合的な印象は。。。

素質はあります。まだ荒削りですが、磨けば光るかも知れません。

。。。ってところかと。
手放しでは誉められませんが、かといって足蹴にするほど悪くもないです。
プレイしてて「痒い」って感じかな。で、痒いところに手が届かなくて悶える感じ(笑)
だから、改善すれば面白くなると思います。

以下、個々の点。
・ビジュアル面は及第。(本音は演出の部類であってどうでもいいんですが。。。)
・BGMも及第。(これも本音としてはゲームの本質には関係ないと。。。)
・各シナリオの制限時間が24時間以上である点は◎。長期戦シナリオにも耐えられる。行動に幅ができる。
・基本的に簡単。難易度低。万人向け。味付けは淡泊。事務的にゲームできます。感情移入は微妙な線。
・インストール作業は要改善。固まるように見えるのは勘弁して欲しい。不良品かと思った。
・全体的にゲームシステムは未完成の雰囲気が濃厚。改善の余地あり。いらないところに自由度があって、必要なところに自由度がない。特に索敵システムは空母戦を扱っているにしては単純化しすぎで、勝敗に関わるくらい致命的。
細かいところを挙げると、索敵で目標を見つけても接触し続けなければ艦隊の構成が把握できない演出は◎。触接の引き継ぎができないのはド×。
・操作性は△。考えなくてもいいくらい操作がし易い部分と、マウスを叩きつけたくなるくらいヘタレてる部分が混在。
・情報が分散しすぎ。特に航空隊のステータスを航空隊毎に確認しなくてはならない点は要改善。
・報告が粗雑。敵編隊発見、敵偵察機発見の報告がないのは首を傾げる。見つかったら普通大事だろう? また航空隊や索敵機のステータスの遷移は必ず報告があるべき。ただでさえ情報が把握しづらいのに相乗効果で使い勝手が悪化している。
・航空隊の統合は分隊単位でも可能なようにして欲しい。遊兵が生じてしまう。
・もったいないのが副官。せっかく喋るんだったら、色んな演出に使って欲しい。索敵に失敗し続けているようなら、内地発として敵機動部隊珊瑚海付近にて蠢動の模様とか、GFからの督戦電が届くとか、プレイヤーの役に立ったり不安感、焦燥感を煽ったりともっと使いようがあると思う。副官をオフにする機能も欲しいけど(笑)
逆に高木5S司令官の発言は不要。。。出すんなら原5Sf司令官だろう。航空戦の指揮官は彼なんだから。分かってる人には興醒め。
・真珠湾攻撃シナリオのように、在泊艦船攻撃不可というシステム上の都合は、マニュアルかサイト、あるいはゲーム内で副官にしゃべらせるなど、何かしらに明記すべき。どこから照らしても不合理なルールなので、事前に情報があるべき。
・敵艦隊の所在が史実に忠実過ぎるような印象。特にキャンペーンシナリオではもう少しランダムにして良いのではないか。初動の索敵が偏ってしまう。繰り返し遊ぼうとすると飽きてしまう。仮装戦シナリオ扱いでも良いのでランダム性を強くして欲しい。ミッドウェイキャンペーンではヨークタウン、セイロンであればインドミタブル隊の出現はランダムで良いのではないか。サラトガの追加も考慮すべき。

「仕事を終えて一杯飲みながら遊べる大人のウォーゲーム」っていうコピーは、確かに一杯飲みながらでもプレイできるくらいの難易度でもあり操作性でもありますが、内容が大人かどうかはちょっと判断に迷います。
大人ってのが宇宙戦艦ヤマト世代であるR35を指すのであれば、個人的には違うだろうと思います。
せいぜいR18程度です。つーか、私個人の経験ではかるとR10くらいまで落としていいです。小学生だった頃でもツクダのタスクフォースシリーズとかやってますから、余裕で文句つけられます(笑)
輸送船ユニットの不在に見られる演出不足、索敵の単純さ加減をどうにかして頂ければ、心証面ではかなり改善するのではないかと考えます。
大人相手だから、もう少しシナリオ的に厳しい条件をつけてもいいし、逆に索敵は空母戦のキモなんだから多少煩雑になっても自由度が欲しいです。
というわけで、もう少し大人の情感に訴求するようなところに近づけてくれれば。
・(4/20追記)たかが一個航空隊の攻撃で駆逐艦含めて艦隊が1隻残らず沈むってのは変では。難易度の選択ができるようにした方がいいかもしれませんね。

ちなみに「サイフォン」社のページでは、5月上旬にV1.5にアップデートされ、追加シナリオがプレイできるようになるそうです。
南太平洋海戦とマリアナ沖海戦だって。うーん。ショートシナリオか。ガ島キャンペーンが欲しかったな。トラック発〜南太平洋海戦までのガ島砲撃を含む長期シナリオ。
まぁ今後の楽しみにしましょう。
まずはショートシナリオで。
。。。システムも改善してくんないかなぁ。
posted by じゃむ猫 at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 空母決戦
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